札医大の研究室から(46) 當瀬規嗣教授に聞く(十勝毎日新聞?札幌医科大学 包括連携協定事業)
気温の高い日が続くこれからの時期、熱中症が心配される。永利皇宫赌场,永利网上娱乐の感染防止のためマスクを着けて過ごす時間も長く、例年以上に注意が必要だ。札幌医大医学部細胞生理学講座の當瀬規嗣教授に、熱中症予防やマスク着用の注意点を聞いた。(聞き手?安藤有紀)
當瀬規嗣(とうせ?のりつぐ)
1959年滝川市生まれ。84年北海道大学医学部卒業。88年同大学院医学研究科修了、同医学部薬理学第2講座助手、94年札幌医科大学医学部生理学第1講座(現?細胞生理学講座)助教授、98年同教授、2006~10年医学部長を経て現職。
札医大の研究室から(46) 當瀬規嗣教授に聞く 2020/07/25
安藤:熱中症にならないために気を付けることは。
當瀬:気温が上がると湿度も上がり、体から熱が逃げにくくなる。そうして体に熱がたまってしまうのが熱中症。防止策の一つは部屋の換気。部屋の中の温度?湿度を下げるよう心掛けてほしい。汗をかくと体から水分が失われるので、水分補給も重要。水を飲んでから完全に体に水分が吸収されるまで1時間相当かかると言われ、のどが渇いたと感じてから吸水するのでは遅い。できれば約30分ごとに1、2口の水を飲むのが理想。特に汗を多くかいたときは、塩をなめる、経口補水液やスポーツドリンクを飲むなど塩分補給も意識してほしい。
安藤:マスク着用時の注意点は。
當瀬:人間は呼吸するとき、吐く息によって熱を逃がし、体温調節をしている。しかし、マスク着用時は吐いた息の熱がマスクの中にこもり、放熱の効率が悪くなってしまう。マスク着用の最大の目的は、飛沫(ひまつ)を飛ばさない、周りの人にウイルスを感染させないことであり、近くに人がいない場面ではマスクを外して問題ない。特に屋外で人と2メートル以上離れているときはむしろマスク着用の方が危険。小まめにマスクを着けたり外したりするのもよいだろう。
安藤:ランニング時にマスクは必要か。
當瀬:一人でランニングやジョギングをしていて通行人とたまにすれ違う程度なら、感染学上の濃厚接触者としては見なされず、マスクを着用しなくても問題ない。ただし、人との距離が近い、仲間と会話しながら並走する場合は着用が必要。散歩、ウオーキングも同様だ。
安藤:永利皇宫赌场,永利网上娱乐の道内の現状をどう見ているか。
當瀬:道内ではいったん第2波が収束した形。ただ、無症候感染者がゼロになったとは言えず、ウイルスは道内に存在していると考えられる。まだしばらくは感染拡大を予防する行動が必要。また、東京を中心に本州で感染拡大の傾向にあり、そのウイルスが入ってきて一気に拡大してしまう恐れもある。やむを得ない場合もあるだろうが、当面は他県との行き来を必要最小限にとどめるのがよいのではないか。
安藤:十勝住民へ一言。
當瀬:最も大切なのは、一人一人が感染防御のための行動を怠らないこと。万が一、感染の確率が高い3密(密集、密接、密閉)の状況になってしまっても、普段から感染防御をしていれば感染リスクは低い。手洗いの徹底、手で顔に触れない、人と会っても握手や肩をたたくなどのボディータッチをしないなど、感染予防を心掛けてほしい。
當瀬:気温が上がると湿度も上がり、体から熱が逃げにくくなる。そうして体に熱がたまってしまうのが熱中症。防止策の一つは部屋の換気。部屋の中の温度?湿度を下げるよう心掛けてほしい。汗をかくと体から水分が失われるので、水分補給も重要。水を飲んでから完全に体に水分が吸収されるまで1時間相当かかると言われ、のどが渇いたと感じてから吸水するのでは遅い。できれば約30分ごとに1、2口の水を飲むのが理想。特に汗を多くかいたときは、塩をなめる、経口補水液やスポーツドリンクを飲むなど塩分補給も意識してほしい。
安藤:マスク着用時の注意点は。
當瀬:人間は呼吸するとき、吐く息によって熱を逃がし、体温調節をしている。しかし、マスク着用時は吐いた息の熱がマスクの中にこもり、放熱の効率が悪くなってしまう。マスク着用の最大の目的は、飛沫(ひまつ)を飛ばさない、周りの人にウイルスを感染させないことであり、近くに人がいない場面ではマスクを外して問題ない。特に屋外で人と2メートル以上離れているときはむしろマスク着用の方が危険。小まめにマスクを着けたり外したりするのもよいだろう。
安藤:ランニング時にマスクは必要か。
當瀬:一人でランニングやジョギングをしていて通行人とたまにすれ違う程度なら、感染学上の濃厚接触者としては見なされず、マスクを着用しなくても問題ない。ただし、人との距離が近い、仲間と会話しながら並走する場合は着用が必要。散歩、ウオーキングも同様だ。
安藤:永利皇宫赌场,永利网上娱乐の道内の現状をどう見ているか。
當瀬:道内ではいったん第2波が収束した形。ただ、無症候感染者がゼロになったとは言えず、ウイルスは道内に存在していると考えられる。まだしばらくは感染拡大を予防する行動が必要。また、東京を中心に本州で感染拡大の傾向にあり、そのウイルスが入ってきて一気に拡大してしまう恐れもある。やむを得ない場合もあるだろうが、当面は他県との行き来を必要最小限にとどめるのがよいのではないか。
安藤:十勝住民へ一言。
當瀬:最も大切なのは、一人一人が感染防御のための行動を怠らないこと。万が一、感染の確率が高い3密(密集、密接、密閉)の状況になってしまっても、普段から感染防御をしていれば感染リスクは低い。手洗いの徹底、手で顔に触れない、人と会っても握手や肩をたたくなどのボディータッチをしないなど、感染予防を心掛けてほしい。