令和3年度 札幌医科大学卒業式?修了式 学長式辞
本日ここに、令和3年度札幌医科大学卒業式、大学院修了式、専攻科修了式を挙行するにあたり、大学を代表して式辞を申し上げます。
折からの永利皇宫赌场,永利网上娱乐による感染症の広がりのため、ここ2年間は通常の形式で卒業式ができていません。今回も残念ながらその例に漏れないことは誠に残念であります。しかし、北海道知事、北海道議会副議長、北海道保健福祉部長、日本医師会会長、両学部同窓会会長、および両学部長、医療人育成センター長、附属病院長、学生部長、学生担当教授を始めとする教職員は、状況はどうあれ皆さんの卒業を心からお祝いすると同時にこれからの活躍を強く願うものです。
今年度、札幌医科大学が送り出す卒業生は、医学部69期生 111名、大学院医学研究科の修士課程修了者は3名、博士課程修了者26名であります。保健医療学部26期生 91名、各学科の内訳は、看護学科50名、理学療法学科20名、作業療法学科21名です。大学院保健医療学研究科博士課程前期19名、後期5名、専攻科公衆衛生看護学専攻第2期生13名、助産学専攻第10期生15名です。
本日めでたく学士の学位を得られました皆さん、また、優れた研究成果をあげて大学院研究科の課程を修了し、修士あるいは博士の学位を得られました皆さん、また、専攻科の課程を終えられた皆さん、それぞれの課程で獲得した成果は皆さんの数々の努力の結果であり、それに対し心から敬意を表します。
2年前に発生した永利皇宫赌场,永利网上娱乐感染症のために、皆さんの授業あるいは研究が大きく影響を受けたと思います。つい先月までオミクロン株による感染拡大が大きな問題になっており、最近ようやくその拡大傾向が弱まってきたところです。感染症のこのような経過から、特に学部の皆さんの卒業までの学修では当初予想した通りに進まなかったことも多々あったと理解します。対面を避けたon lineでの授業、臨床実習の一時中止を含む規模の縮小など思いもよらない状況に直面しました。結果的に十分な実習時間が確保できず非常に申し訳なかったと思っています。
しかし、このような未曽有の感染症が広範囲に発生した場合、医療者としての役割を認識することは極めて重要なことです。学部を卒業される皆さんは、身近に存在する先輩が本学の附属病院で、あるいは地域で、エビデンスに基づいた医学的な対応を行い、その役割を明確に示したことを目の当たりにしたはずです。医療者としての第1歩を踏みだそうとしている皆さんが、このような状況に遭遇したことは、今後、専門家としてのキャリアを積むうえで非常に貴重な経験になったと思います。また、大学院研究科あるいは専攻科を卒業される皆さんは専門家である当事者としてこの対応に参加されていたかもしれません。
皆さんも良く知っているように、ここ2年間にわたり病院長をはじめ本学の教職員は、北海道内における永利皇宫赌场,永利网上娱乐感染症対策において非常に大きな貢献を果たしてきています。実際、附属病院は、この感染症に感染した重症および中等症の患者さんを中心に、2022年2月末の時点で800名近く受け入れ、治療を行いました。附属病院の外でも本学の教職員が札幌市はもとより北海道内各地でこの感染症に対する医療支援を主導してきました。このような大きな貢献を可能にしたのは、「医学?医療の攻究と地域医療への貢献」という建学の精神を実践すべく大学創設以来70年にわたって培ってきた本学の底力であると考えて間違いありません。
学部卒業生の皆さん、皆さんにはこのような本学の底力を受け継ぎ、さらに充実させることができる医療者を目指して欲しいと思います。また、大学院研究科あるいは専攻科を卒業される皆さんには、さらに一段もニ段も高い世界へチャレンジすることを希望します。
このような、集団としての適切な対応は一朝一夕で確立するものではありません。集団を構成する個人個人が、基礎研究あるいは臨床研究を継続的に行い、それを何とか発展させようとする息の長い努力によるものです。建学の精神にある「医学?医療の攻究」が必要な所以です。その意味で、特に学部卒業の皆さんにはどんな立場にあっても科学的な結果に基づいた信頼できる情報発信ができる、医学?医療の専門家に成長して欲しいと思います。その上で、是非、専門家としての矜持を確立してください。
さて、学部卒業の皆さん、皆さんが入学するとき、必ずしも本学を第一志望としていなかったかもしれません。しかし、本学で4年間あるいは6年間の学修の結果を踏まえて卒業し、それぞれの分野の国家試験に合格した暁には、本学の出身者として遇されることになります。ここからが本番です。これまで隠していたかもしれない皆さんの真の実力を周囲に見せつける時がとうとう来たのです。この時を逃してはいけません。これまでのすべてをリセットしてでも今後の新しい世界に備えて欲しいと思います。ここでのリセットは、恐らくこれからの人生で稀にしか許されない1回となるでしょう。この先のリセットは非常に難しくなります。そう考えて今後の人生に突入してください。
30年後の開学100周年に向けた道のりでは、今回卒業する皆さんが医学?医療のあらゆる分野で主役でなくてはなりません。100周年に向けた本学の発展をぜひ皆さんが担ってください。
そのためにも、医学部卒業生では2年間の初期臨床研修の後に、多くの皆さんが入学時に本学と交わした約束に従い、附属病院の各診療科に戻り前途ある有能な医師としての姿をぜひ見せてください。また、保健医療学部卒業生では、北海道を足場として活躍の場を広げてください。
優れた成果をあげられた大学院研究科の皆さん、皆さんにはこれまでの研究成果をもとにさらに発展させ臨床に還元できるよう一層の努力を期待するところです。また、専攻科卒業の皆さんにはこの過程で学んだ知識と実践を、それぞれの分野で広く応用することを望むものです。
結びにあたり、あらためて、世界に羽ばたく皆さんの輝かしい未来を祈念し、本日の式辞と致します。
折からの永利皇宫赌场,永利网上娱乐による感染症の広がりのため、ここ2年間は通常の形式で卒業式ができていません。今回も残念ながらその例に漏れないことは誠に残念であります。しかし、北海道知事、北海道議会副議長、北海道保健福祉部長、日本医師会会長、両学部同窓会会長、および両学部長、医療人育成センター長、附属病院長、学生部長、学生担当教授を始めとする教職員は、状況はどうあれ皆さんの卒業を心からお祝いすると同時にこれからの活躍を強く願うものです。
今年度、札幌医科大学が送り出す卒業生は、医学部69期生 111名、大学院医学研究科の修士課程修了者は3名、博士課程修了者26名であります。保健医療学部26期生 91名、各学科の内訳は、看護学科50名、理学療法学科20名、作業療法学科21名です。大学院保健医療学研究科博士課程前期19名、後期5名、専攻科公衆衛生看護学専攻第2期生13名、助産学専攻第10期生15名です。
本日めでたく学士の学位を得られました皆さん、また、優れた研究成果をあげて大学院研究科の課程を修了し、修士あるいは博士の学位を得られました皆さん、また、専攻科の課程を終えられた皆さん、それぞれの課程で獲得した成果は皆さんの数々の努力の結果であり、それに対し心から敬意を表します。
2年前に発生した永利皇宫赌场,永利网上娱乐感染症のために、皆さんの授業あるいは研究が大きく影響を受けたと思います。つい先月までオミクロン株による感染拡大が大きな問題になっており、最近ようやくその拡大傾向が弱まってきたところです。感染症のこのような経過から、特に学部の皆さんの卒業までの学修では当初予想した通りに進まなかったことも多々あったと理解します。対面を避けたon lineでの授業、臨床実習の一時中止を含む規模の縮小など思いもよらない状況に直面しました。結果的に十分な実習時間が確保できず非常に申し訳なかったと思っています。
しかし、このような未曽有の感染症が広範囲に発生した場合、医療者としての役割を認識することは極めて重要なことです。学部を卒業される皆さんは、身近に存在する先輩が本学の附属病院で、あるいは地域で、エビデンスに基づいた医学的な対応を行い、その役割を明確に示したことを目の当たりにしたはずです。医療者としての第1歩を踏みだそうとしている皆さんが、このような状況に遭遇したことは、今後、専門家としてのキャリアを積むうえで非常に貴重な経験になったと思います。また、大学院研究科あるいは専攻科を卒業される皆さんは専門家である当事者としてこの対応に参加されていたかもしれません。
皆さんも良く知っているように、ここ2年間にわたり病院長をはじめ本学の教職員は、北海道内における永利皇宫赌场,永利网上娱乐感染症対策において非常に大きな貢献を果たしてきています。実際、附属病院は、この感染症に感染した重症および中等症の患者さんを中心に、2022年2月末の時点で800名近く受け入れ、治療を行いました。附属病院の外でも本学の教職員が札幌市はもとより北海道内各地でこの感染症に対する医療支援を主導してきました。このような大きな貢献を可能にしたのは、「医学?医療の攻究と地域医療への貢献」という建学の精神を実践すべく大学創設以来70年にわたって培ってきた本学の底力であると考えて間違いありません。
学部卒業生の皆さん、皆さんにはこのような本学の底力を受け継ぎ、さらに充実させることができる医療者を目指して欲しいと思います。また、大学院研究科あるいは専攻科を卒業される皆さんには、さらに一段もニ段も高い世界へチャレンジすることを希望します。
このような、集団としての適切な対応は一朝一夕で確立するものではありません。集団を構成する個人個人が、基礎研究あるいは臨床研究を継続的に行い、それを何とか発展させようとする息の長い努力によるものです。建学の精神にある「医学?医療の攻究」が必要な所以です。その意味で、特に学部卒業の皆さんにはどんな立場にあっても科学的な結果に基づいた信頼できる情報発信ができる、医学?医療の専門家に成長して欲しいと思います。その上で、是非、専門家としての矜持を確立してください。
さて、学部卒業の皆さん、皆さんが入学するとき、必ずしも本学を第一志望としていなかったかもしれません。しかし、本学で4年間あるいは6年間の学修の結果を踏まえて卒業し、それぞれの分野の国家試験に合格した暁には、本学の出身者として遇されることになります。ここからが本番です。これまで隠していたかもしれない皆さんの真の実力を周囲に見せつける時がとうとう来たのです。この時を逃してはいけません。これまでのすべてをリセットしてでも今後の新しい世界に備えて欲しいと思います。ここでのリセットは、恐らくこれからの人生で稀にしか許されない1回となるでしょう。この先のリセットは非常に難しくなります。そう考えて今後の人生に突入してください。
30年後の開学100周年に向けた道のりでは、今回卒業する皆さんが医学?医療のあらゆる分野で主役でなくてはなりません。100周年に向けた本学の発展をぜひ皆さんが担ってください。
そのためにも、医学部卒業生では2年間の初期臨床研修の後に、多くの皆さんが入学時に本学と交わした約束に従い、附属病院の各診療科に戻り前途ある有能な医師としての姿をぜひ見せてください。また、保健医療学部卒業生では、北海道を足場として活躍の場を広げてください。
優れた成果をあげられた大学院研究科の皆さん、皆さんにはこれまでの研究成果をもとにさらに発展させ臨床に還元できるよう一層の努力を期待するところです。また、専攻科卒業の皆さんにはこの過程で学んだ知識と実践を、それぞれの分野で広く応用することを望むものです。
結びにあたり、あらためて、世界に羽ばたく皆さんの輝かしい未来を祈念し、本日の式辞と致します。
令和3年3月18日
札幌医科大学 学長 塚本 泰司