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専門分野におけるレベルアップ研修コース 研修報告
せん妄ケアコース 第6回集合研修「活動計画発表会」
本コース最終回である「活動計画発表会」が2月5日(金)に開催されました。
受講者全員が、自部署のせん妄ケアの課題解決に向けた活動計画を発表しました。
伝達講習、せん妄アセスメントツールの導入、せん妄ケア内容の一覧表作成、せん妄予防のための環境調整のマニュアル作成、カンファレンスの活用等、様々な計画が発表されました。
すでに計画の一部を実践されている受講者も多く、各部署でせん妄ケアの向上に向けた取り組みが進んでいます。今後の当院におけるせん妄ケアの質向上が期待できる発表内容でした。
せん妄ケアコースは3月に修了後レポートを提出して修了となります。受講者の皆さん、長期間の研修、本当にお疲れ様でした。
最後に萩原看護部長より、修了シールと修了証書が授与されました。 |
せん妄ケアコース 第5回集合研修
12月11日(金)に、第5回集合研修が実施されました。
講話「病棟におけるせん妄ケアのシステム化に向けた取り組みの実際」
講師:社会医療法人禎心会札幌禎心会病院 笹原美代子看護科長、香川千夏看護科長
笹原看護科長より「禎心会病院におけるせん妄ケアシステム化に向けた取り組みについて」、香川看護科長より「病棟での取り組みの実際(整形外科患者への取り組みから)」について、お話いただきました。組織的な取り組みとしては他部門を巻き込んだ院内せん妄ケア体制の構築や、電子カルテへのせん妄アセスメントツールの導入、病棟における取り組みとしてはせん妄ケアリーダーと協力スタッフの選定、アセスメントツールの導入、自己学習できる資料の設置などが説明されました。
最後に受講者からアセスメントツールの導入に際しての困難や対策について質問があり、「ツールの難しさからスタッフから負担の声もあったが、まずはやってみようと声をかけながら進めていった。続けることで評価に慣れたり、効果の実感を得ていったことで徐々にスタッフに受け入れられていった」との回答をいただきました。受講者の活動計画立案に向けて大変有意義な学びの機会となりました。
▼笹原美代子看護科長 | ▼香川千夏看護科長 |
〔グループワーク4〕
1)検討事例を用いてJ-NCS評価を行い、病棟でのツール導入における課題と解決策を話し合う
受講者が持ち寄った事例を用いて、せん妄アセスメントツールである「日本語版ニーチャム混乱?錯乱状態スケール(J-NCS)」による評価を試行し、ツール導入の課題や課題に対する解決策等を検討しました。伝達講習の実施や、評価は慣れるまで一人ではなく複数で行うこと等の解決策が話し合われていました。
2)各部署で取り組んでみたことを共有し、次年度の活動計画立案に向けて話し合う
活動計画立案に向けて考えていることや、悩んでいること等を話し合いました。受講者の多くが活動計画に挙げていたのはアセスメントツールの導入であり、事前に自部署でツールの導入を試みてきた受講者が多くみられました。その結果をもとに、スタッフの理解を得ていくためにツール導入の目的を明確にしてスタッフに啓蒙していく必要があること、評価のタイミングや対象患者の基準を設けること等の対策が話し合われました。
今回の研修では受講者が自部署で試行してきた取り組みを共有し合ったことで新たな気づきが得られ、より効果的な計画立案に向けて検討することができていました。次回はいよいよ研修コース最終回の活動計画発表会です。発表会は希望される看護職員の参加が可能です。より多くの方の協力を得て計画のブラッシュアップにつなげられたらと思います。
せん妄ケアコース 第4回集合研修
10月9日(金)に、第4回集合研修が実施されました。
〔グループワーク3〕
1)事例検討とせん妄のアセスメントツール評価
前回に引き続き、受講者が持ち寄った事例について検討を行いました。今回は、事例検討の中でいくつかのアセスメントツールを用いて評価を行いました。実際に使用したことで各ツールの特徴がわかり、ツールに対する知識?理解がより深まりました。また、自部署でツールを活用していく場合には、どのツールが必要か、使用しやすいか、取り入れやすいかといった視点での検討がなされました。
2)せん妄ケアにおける自部署の課題と課題解決に向けた取り組み方法の検討
グループワークでは、前回取り組んだ「せん妄ケアの課題とその背景や関連要因」の図をもとに、せん妄ケアにおける課題と課題解決に向けた取り組み方法について話し合いました。課題としては「若いスタッフのせん妄リスク因子の知識不足?経験不足」「経験年数によって判断にばらつきがある」「せん妄への関心が低い」などが挙げられ、課題解決に向けた取り組みとして伝達講習、カンファレンスで検討する、アセスメントツールの導入等が挙げられていました。また、すぐに取り組めそうな課題として実際の患者にアセスメントツールを使用してみることで、アセスメントツールの導入準備につなげるといった意見も見られました。以上の検討結果は研修の最後に発表し全体で共有しました。
今回の研修では、受講者の皆さん一人一人が自部署におけるせん妄ケアの課題や取り組み方法を具体的に考えられており、せん妄ケアの質を高めようという意識の高さを感じました。今後、部署の状況に応じた効果的な活動計画が立案されていくことと期待されます。
次回12月11日(金)は、事例検討の他、自部署におけるせん妄ケアの課題(すぐに取り組めそうな課題)解決に向けた取り組みの実践内容、及び結果を発表し共有します。また、社会医療法人札幌禎心会病院から2名の講師を招き、「病棟におけるせん妄ケアのシステム化に向けた取り組みの実際」について講義をいただく予定です。実際の体験談をお聞きできる貴重な機会です。楽しみですね!
せん妄ケアコース 第3回集合研修
8月3日(月)に、第3回集合研修が実施されました。
〔グループワーク2〕
1)事例検討
前回に引き続き、受講者が持ち寄った事例について事例検討を行いました。前回学んだ事例検討のポイント(①患者の言動の背景や意味を問う②患者の置かれている状況から解釈する③患者の強みに注目する④上手くいった対応に注目する⑤チームとしてケアの方向性を判断?評価する⑥看護師の感情を受け止める)を踏まえて、皆さん活発にディスカッションされていました。
2)せん妄ケアの課題とその関連要因についてのKJ法による整理
事前課題として、「病棟の入院患者や治療環境の特性」「せん妄患者のアセスメント?ケアの状況」「これまでの研修内容を活かして病棟で取り組んでみたいこと」の3点について各自記載し提出された資料をもとにKJ法を行い、せん妄ケアの課題と関連要因を整理しました。提出資料に記載された内容のうち、①入院患者の特徴②治療環境の特徴③アセスメントの状況④ケアの状況⑤その他に関する記述から表札を作成しました。今回の検討で、「スタッフの知識?経験不足」「系統的なアセスメントの実施の必要性」「さらなる他職種との連携」等がせん妄ケアの課題と考えられ、今後の効果的な解決策につながるグループワークとなりました。
最後に模造紙を用いて全体発表し、各グループの検討結果を共有しました。受講者から「他部署でも同じような課題を抱えていることがわかった」「他職種にもっと関わって連携がとれたら、患者により良いケアが提供できると思った」等の感想が聞かれました。
限られた短い時間でしたが、次々に意見交換がなされ、部署を越えて課題が共有されたり、課題につながる様々な要因が明らかになり、皆さん一人一人の力、そしてチームワークの良さを実感したと同時に、皆さんにとっても医大病院にとっても有意義な時間になったと感じました。
次回は、事例検討の他、せん妄ケアの課題に対する解決策についてグループワークを行う予定です。どんな解決策が話し合われるのか、今から楽しみです。
せん妄ケアコース 第2回集合研修
6月1日(月)に、第2回集合研修が実施されました。
講義1 | 「せん妄につながる認知症患者の特徴とケア」 講師:医療法人愛全会愛全病院 認知症看護認定看護師 森真紀 先生 |
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受講者11名の他、聴講者8名が受講しました。森先生ご自身の体験や事例を交えたわかりやすい説明と、途中受講者全員がミトンや抑制帯を10分ほど利き手に身につけるという身体抑制体験の演習が行われました。センター員もミトンを身につけてみたところ、蒸れる蒸れる!10分でこんなに不快なら、長時間身体抑制される患者さんの辛さはどれほど大きいことか??と実感できました。「ミトンの中は暑くなってないかな」「臭ってないかな」といった配慮や、身体抑制を当たり前と思わないことがせん妄ケアの大事な視点だということを学ぶことができました。
講義2 | 「ケースカンファレンス運営のポイント」 講師:保健医療学部看護学科 長谷川真澄 教授 |
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グループワーク1
講義2で、事例検討のポイントを学んだ後に、受講者が持ち寄った事例についてグループワークを行いました。グループワークでは、患者の言動の背景?意味の解釈や、患者の強みは何でケアにどう活かせるか、うまくいった対応は何かなどの視点でディスカッションを行いました。大変活発な意見交換が行われ、受講者の皆さんのせん妄ケアへの熱い思いが伝わってくる学びの多いグループワークとなりました。グループワーク後、受講者の方から「当時はやれることを精一杯やったが、皆の意見を聞いて考えが深まった」「入院前の生活パターンの把握がもっと必要だったことに気づいた」等の感想が聞かれました。
せん妄ケアコースは今後も2ヵ月毎に集合研修が行われます。
長丁場の研修ですが、受講者の皆さん、体調に気をつけてがんばりましょう。
せん妄ケアコース 第1回集合研修
昨年度から時間をかけて企画した研修の一つがスタートしました。
多くの部署で難渋している「せん妄ケア」の研修です!
受講者は、「せん妄ケア」に興味を持って参加した11名、その他に聴講として9名が参加しました。
第1回目は、
- 札幌医科大学保健医療学部看護学科 長谷川真澄 教授より、
「せん妄ケアの概論」「せん妄のアセスメント」「せん妄の予防ケア」 - 神経精神医学講座 石井貴男 助教より、
「せん妄の診断と治療」 - がん看護専門看護師 小野聡子 主査より、
「せん妄につながるがん患者の特徴とケア」
の講義を受けました。
長谷川教授より、最初に、
- せん妄ケアの教育を受けた病棟におけるせん妄の遷延化の低減
- せん妄に関する医療者の教育と専門職チーム介入によるせん妄発症率の低減
などの説明があり、本研修を受ける動機づけがしっかりとされました。
事例でアセスメントを行ったり、ケアを考えたりなどの演習もありました。
せん妄は予防することも、悪化を防ぐこともできるのだということを認識できた内容でした。
部署ですぐ使える内容が多くありましたので、是非、部署で伝えて欲しいと思います。
これから、2月までの長期間の研修ですが、皆さん、頑張りましょう~。