理事長?学長室から2025

No.35令和7年2月3日発行

はじめに

 今年の札幌は雪が少なくて楽だなあ、と思っていたら、ここに来て雪の日が続いています。「結局は毎年帳尻が合うんだよね」ってタクシーの運転手さんは言います。でも、気象庁の向こう3ヵ月の長期予報では、気温は「平年より高い」、降雪量は「少ない」とのことですよ。いずれにしろ雪は少ないに越したことはなく、穏やかな冬で終わってほしいものですね。
 「理事長?学長室から2025」No.35をお届けします。

1.山田邦子さんをお招きし、市民公開講座を開催しました

 1月16日、札幌医科大学講堂において、アイン?ニトリ緩和医療?支持療法講座市民公開講座を開催しました。特別ゲストとしてタレントの山田邦子さんをお招きしました(写真1)。
 アイン?ニトリ緩和医療?支持療法講座は、アインファーマシーズ様とニトリ株式会社様からのご寄付により、2014年に開設されて以来、がん患者さんの疼痛緩和やQOL改善に大きく貢献してきました。そしてこの度、来年度以降もアイン?ニトリ両社より本講座を継続支援していただけることになり、それを記念して公開講座を開催しました。
 本公開講座では、まず川村 舞特任助教より、寄付講座の活動報告として、がん相談サロンの活動(交流会、ヨガ教室など)についての講演がありました(写真2)。
 続いて、寄付講座の教授を兼務している麻酔科学講座の山蔭道明教授が座長を務め、山田邦子さんから「大丈夫だよ、がんばろう!」というテーマで講演がありました。山田さんは、かつて「オレたちひょうきん族」や「やまだかつてないテレビ」などで一世を風靡し、最近では「M-1グランプリ」の審査員や日本喜劇人協会の会長を務めるなど、わが国のお笑い、エンタメ界の第一人者です。2007年に乳がんを患いましたが、手術などの治療を経て現在では元気に復活されています。
 講演では、いつもの明るくパワー全開のお話に加え、予想以上に(失礼)すばらしい歌声まで披露していただきました。「がんは人口の半分の人がかかる病気で特別なことではない」「笑うことにより免疫力がアップする」など、山田さんの言葉は聴衆の皆さんの心に響いたと思います。最後に山田さん自身が作詞した「しあわせの青い鳥」を歌唱した場面では、涙する参加者も少なくなかったようです(写真3-7)。
 会場参加者172名、YouTube視聴者200名という大変多くの方々にご参加いただき、公開講座は盛会に終えることができました。ご準備いただいた山蔭教授をはじめとするアイン?ニトリ緩和医療?支持療法講座の皆様、事務局病院課の皆様、後援をいただいた北海道新聞社の皆様に感謝申し上げます。

2.JICA研修生、玉城優美ミカエラさんが9カ月間の研修を終え、帰国されました

  2024年5月から、JICA日系研修員事業によりボリビアから来学されていた玉城優美ミカエラさんがこの度、保健医療学部理学療法学科における研修を修了しました。1月9日には、研修報告会が行われ、保健医療学部学生、教職員、JICA関係者など約40名が参加しました(写真8,9)。
 1月14日には、帰国報告のため学長室を訪問されました。保健医療学部や学外の医療施設での研修では、教員?スタッフによる懇切丁寧な指導により多くのことを学ぶことができたこと、また東京や京都などでの学会出席の折には観光も楽しむことができたことに感謝の意を表しておられました。
 玉城さんには、研修修了のCertificationを授与しました(写真10)。また、記念品としてミニ雛人形を贈呈しました(写真11)。
 玉城さんは1月18日に帰国の途に着かれましたが、本学で学んだ知識や技術を生かして、ボリビアでの理学療法ひいては医療の発展のために活躍されることを祈っています。

3.6年ぶりに国際交流活動報告会を開催しました

  1月23日、C202講義室において、令和6年度国際交流活動報告会を開催しました。2019年以降、コロナ禍のため実質的に中断していた本学の国際交流活動でしたが、この度、実に6年ぶりに報告会を開催することができました(写真1213)。
 国際医学交流事業により、赤塚正幸先生(医学部集中治療医学)が韓国?高麗大学、三浦修平先生(医学部心臓血管外科学講座)がフィンランド?ヘルシンキ大学、水野浩利先生(医学部救急医学講座)が米国?マサチューセッツ州立大学、阿部弥喜先生(保健医療学部看護学第二講座)が中国?佳木斯大学にそれぞれ派遣されました。いずれの先生のプレゼンからも、好奇心と発見に満ちた研修の様子が生き生きと伝わってきました。今後のキャリアに生かし、ますます活躍されることを期待しています。
 また、澤 紀実さん(保健医療学部理学療法学科2年)からは、カナダ?アルバータ大学における語学研修の報告がありました。「人前で話すのは苦手」と言っていましたが、とても良いプレゼンでした。現地の人々や多国籍の学生さんとの交流など、充実した研修だったことが良く分かりました。
 本報告会を契機として、本学の国際交流活動が今後ますます活性化することを願っています。

おわりに

 「オレたちひょうきん族」は、フジテレビ系列で1981年~1989年まで、毎週土曜日20:00から放送されていたバラエティ番組です。当時も今も、お笑い大好き人間である私は、その間、ほぼ毎週欠かさず視聴しておりました。その中心的出演者であった山田邦子さんは、ビートたけし、明石家さんま、片岡鶴太郎らと共に、私にとっては大スターでありレジェンドでもあります。実際にお会いしてみると、とても気さくかつフレンドリーなお人柄で、ますますファンになりました。
 山田さんの、時に底抜けに明るく、時にやさしく語り掛けるようなお話からは、会場に詰め掛けた、がん患者さん、ご家族、一般の方々は皆、勇気と元気、そして未来への希望をいただいたものと思います。そして紛れもなく、私もその一人であります。
 あらためまして、山田邦子さん、そして会場?オンラインでの参加者の皆様、準備?運営にあたられた関係者の皆様に深く感謝いたします。